年賀状の落款、篆刻づくり

10月最初のお稽古は年賀状の押す落款づくりです。

篆刻作成の流れ

 

来年は丙(ひのえ)の申(さる)年なので、
落款は「丙申」を彫ります。

干支というと「子、丑、寅・・・」の十二支を思いますが、
正確には、「甲、乙、丙、丁・・・」という十干(じっかん)との組み合わせが「干支」と呼ばれるものです。

十二支十干

たとえば「丙午(ひのえうま)」なんかがよく知られていますね。
この「丙(ひのえ)」が「十干(じっかん)」で「午(うま)」が十二支です。
ということは、十二支×十干=六十になり、干支は60年周期でまわっています。
同じ「午年」としても産まれた年で違うんですね。

昔の人は、この十干十二支で暦をはじめ、時間や方位をあらわすのに用いました。
古典などで「今宵の子の刻・・・」とか、
方角で「子の方に・・・」とか呼ぶのもそうですね。
そういえば「子午線」という言い方は今もしますね。
この「子」が0度・北を示しています。

これらはもちろん中国からやってきたものです。
ちなみにこれらは「陰陽五行説」に基づいたものという説がありますが、
どうも「陰陽五行説」よりもはるか昔に起源があるようなのでそうではないようですね。

閑話休題

ということで、来年の干支は「丙申」です。

昨年も年賀状用に篆刻をつくったのですが、
それは個人名を彫ったものでした。

これです。

篆刻_今西

「今西」という漢字を「篆書」という4000年ほど前と言われている文字で彫りました。
実際は読めないですね。
でもこれで「今西」なんです。
まぁ、雰囲気というかデザイン的というか、好みで選べばそれでOKです。

今年の「丙午」も「篆書」で彫るか次の時代の「隷書」で彫るか、選びます。
選んだら、それを直接彫るのではなく、
まず半紙に筆で(このときは鉛筆で)書き、
それを石に写してから彫っていきます。

文字を選ぶときには「同じ時代の字」というルールがあって、
文字の統一感を重視します。
それと、篆刻の文字のバランスというか、おもしろさというか、
それも重要な要素です。

篆刻パターン2

先生の解説、指導によると、
今回つくる篆刻は2cm四方ですが、
その空間の中の文字が均一に収まっているのはおもしろくない。
画数が詰まっている「蜜」な部分と「疎」な部分があるからおもしろいのだと教えられました。
たしかに、そうですね。そうすることで2cm四方の篆刻の空間にリズムが生まれますね。

といったことを講義してもらい、
一人ひとりがどんな字で彫るか、文字を選びました。

もちろんお手本というか資料があってそこから選ぶのですが、
瀬原先生は字、書に対してラジカルな考え方、発想を持っている人なので、
選んだ字はそのまま使うのではなく、自分流にアレンジしてみようと言います。

一つひとつの線を太くしたり細くしたり、グッと曲げたり、塗りつぶしたり・・・。
これがとても、難しいけど、おもしろい。

で、私たちが書いた篆刻にする文字、デザインはこれです。

篆刻今西バージョン篆刻井上バージョン

先生が書いたのとはぜんぜん違いますね(笑)

先生が書いたものには線の方向や太さ、「蜜と疎」のバランスなどが配慮されているなぁと、
あらためて感心しました。

今回は「文字を選び、デザインする」までで時間を終えました。
次は、いよいよこの文字を彫っていきます。

楽しみだなぁ(^^)